著者のコラム一覧
中川恵一東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

前立腺がんの放射線治療を最大限活かす「1センチの隙間」

公開日: 更新日:

 脂肪の摂取量が増えるほど、前立腺がんの死亡率が上がることは、国際的な研究で明らかになっています。前立腺がんは男性ホルモンの影響を受け、その男性ホルモンがコレステロールから合成されるためでしょう。前立腺がんの罹患数は、2020年に1995年の6倍に増加。肺がん大腸がんは2倍前後ですから、前立腺がんは突出しています。

 ロッドがどんな治療を受けたか分かりませんが、欧米では7割が放射線ですから、恐らく放射線でしょう。一部報道には「がんが消えた」といった表現もあります。

 放射線の治療効果は、手術と同等で完治が期待できます。手術は、尿漏れや勃起障害のリスクがありますから、放射線を選択しないのは、もったいない。

■IMRTなら5回照射で終了

 実は、放射線にも、直腸障害というリスクがありました。前立腺は直腸に接しているため、前立腺に放射線を照射すると、少なからず直腸も放射線を浴びるため、治療後3カ月以降に直腸出血が生じ、最悪の場合、人工肛門になる恐れもあります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動