著者のコラム一覧
佐々木常雄東京都立駒込病院名誉院長

東京都立駒込病院名誉院長。専門はがん化学療法・腫瘍内科学。1945年、山形県天童市生まれ。弘前大学医学部卒。青森県立中央病院から国立がんセンター(当時)を経て、75年から都立駒込病院化学療法科に勤務。08年から12年まで同院長。がん専門医として、2万人以上に抗がん剤治療を行い、2000人以上の最期をみとってきた。日本癌治療学会名誉会員、日本胃癌学会特別会員、癌と化学療法編集顧問などを務める。

認知症の母親に胃がんが発覚…それでも母は私の生きる希望

公開日: 更新日:

 認知症の母親(83歳)と13年間、ずっと一緒に暮らしている娘さん(55歳・会社員)から聞いたお話です。

 ◇  ◇  ◇ 

 母は病院の物忘れ外来に2カ月に1回のペースで定期的に通っていて、私は仕事を休んで一緒に病院へ行きます。普段の平日は、朝に車で母を迎えに来ていただいてデイケアに行きます。私が会社から帰って来るまでの夕方の1時間はテレビを見たりして過ごしていますが、ほとんど内容は分かっていないようです。 夕食は私と一緒です。私の作った料理を「おいしい」と言って食べてくれます。若い頃は大嫌いだったソバも、最近はおいしそうに食べています。

 母が私に向かってニコッとほほ笑んでくれるのが私の生きがいです。会社で何があっても、勇気をもらえるのです。母がいてくれて幸せです。

 母は75歳の時に一人で散歩から帰れなくなり、交番にお世話になったのが認知症の始まりだったと思います。名前を書けなくなったのは78歳でした。

 79歳の夏、数日にわたって嘔吐があり、物忘れ外来の医師が消化器科を紹介してくれて胃がんが見つかりました。ステージは2でした。私がすべて説明を聞き、「同意」して手術していただきました。胃の3分の1が残り、みなさんのおかげで手術後のトラブルもなく、幸いこれまでがんの再発はありません。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    相撲協会の逆鱗に触れた白鵬のメディア工作…イジメ黙認と隠蔽、変わらぬ傲慢ぶりの波紋と今後

  2. 2

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  3. 3

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 4

    《2025年に日本を出ます》…團十郎&占い師「突然ですが占ってもいいですか?」で"意味深トーク"の後味の悪さ

  5. 5

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  1. 6

    中居正広の女性トラブルで元女優・若林志穂さん怒り再燃!大物ミュージシャン「N」に向けられる《私は一歩も引きません》宣言

  2. 7

    結局《何をやってもキムタク》が功を奏した? 中居正広の騒動で最後に笑いそうな木村拓哉と工藤静香

  3. 8

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  4. 9

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 10

    高校サッカーV前橋育英からJ入りゼロのなぜ? 英プレミアの三笘薫が優良モデルケース