著者のコラム一覧
尾上泰彦「プライベートケアクリニック東京」院長

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

10万人に1人の精巣腫瘍 痛みなしで硬く肥大化すれば要注意

公開日: 更新日:

■転移がなければ95%以上が完治

 いずれにしても普段からタマを触ったり、タマ袋の大きさを観察していないと、気づきにくいものです。また、精巣腫瘍は若い世代に発症するので、進行が速いという特徴があります。そのため転移した症状で発見されることも少なくありません。たとえば、腹部リンパ節に転移すれば、腹部のしこり、腹痛、腰痛など。肺に転移すれば、息切れ、せき、血タンなどの症状が表れます。

 治療は、まず手術で腫瘍のある片側の精巣を摘出します。転移がなく、がんが精巣だけにとどまっていれば95%以上は完治が可能です。片側の精巣を取っても、もう片側の精巣が残るので精子を作る能力は変わりません。

 転移している場合でも、抗がん剤治療や放射線治療を行うことで、かなり治癒が可能です。IJCC分類で「予後良好」の人は95%が、「予後中程度」の人は80%が、「予後不良」の人でも50%が治癒することが分かっています。

 ただし、妊娠を望む人に抗がん剤治療や放射線治療を行う場合には、精子を作る能力が低下する可能性があるので、事前に精子の「凍結保存」が勧められています。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  2. 2

    五輪ニッポン「破産」するスポーツ団体が続出か…JOCは早くも助成金の大幅減額通達

  3. 3

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  4. 4

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  5. 5

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  1. 6

    シーズン中“2度目の現役ドラフト”実施に現実味…トライアウトは形骸化し今年限りで廃止案

  2. 7

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸300億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」

  3. 8

    悠仁さまの筑波大付属高での成績は? 進学塾に寄せられた情報を総合すると…

  4. 9

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  5. 10

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは