10万人に1人の精巣腫瘍 痛みなしで硬く肥大化すれば要注意
痛みやかゆみ、発熱などの自覚症状がない病気は放置されがちです。それが“陰部”となると、違和感があっても「恥ずかしいから」と医療機関を受診する機会が遅れてしまいます。
見逃されやすい、そんな男性の陰部の病気で、最も注意しなくてはいけないのは「精巣腫瘍」です。タマ袋の中にある精巣(睾丸)にできる腫瘍で、ほとんどが悪性(がん)とされています。
発生頻度は10万人に1人程度と比較的まれですが、他のがんと異なるのは20代後半から30代にかけて発症のピークがあるところです。この世代の男性に発生する固形がんの中では、最も多いがんです。
精巣腫瘍は、基本的に痛みや発熱はありません。もし痛みがあれば「精巣炎」や「精巣上体炎」などの疑いが強いのですが、精巣腫瘍も約10%が痛みを伴うとされているので油断は禁物です。
では、どんな症状に注意すればいいのかといえば「無痛性の精巣腫大」です。片側のタマの一部が硬くゴツゴツしていたり、片側のタマ袋全体が腫れて大きくなったりする症状です。無痛性の精巣腫大を主症状とする病気には、「陰嚢(いんのう)水腫」という病気もありますが、その場合にはタマ袋を触るとブヨブヨと軟らかいところに違いがあります。