新型コロナ血栓の怖さと対処法 死因は肺炎だけではない
今年3月、ついに国際止血血栓学会は、COVID―19患者には症状の軽重を問わず、血小板、D―ダイマー、PT、フィブリノーゲンのチェックを推奨するに至った。特にD―ダイマーの上昇は、静脈血栓塞栓症を疑い、心臓や下肢静脈の超音波検査を考慮する必要がある。MRIによる脳梗塞や血栓症のチェックも欠かせない。血液検査と画像診断の組み合わせで、血栓症と血管炎の正確な診断が可能となる。
重症のCOVID―19患者では新規抗凝固薬エドキサバンなどによる予防的抗凝固療法が合理的と思われる。低分子ヘパリンなどの抗凝固薬や血栓溶解薬で治療されるが、抗血栓剤の効果は限定的で、現病の治療が重要である。