<5>新型コロナはなぜ全身に血栓症を起こす?2つのパターン

公開日: 更新日:

「ところが、血液中でサイトカインが過剰に増えると、血小板や血液中のトロンビンなどの凝固因子(血液を固まらせる物質)の働きが活発になり、全身の動脈や静脈に血栓ができるリスクが上がるのです」

 新型コロナウイルスで重い肺炎を起こした人の中には、肺の血管が詰まる肺塞栓症、下肢深部静脈血栓症や脳梗塞を併発する人が多い。新型コロナウイルス肺炎による死者の解剖でも、これらの病気が多数発見されている。肺炎の症状が軽度の感染者の中に、足の指にしもやけのような症状が出ることが報告されているが、こうした一連の症状は血栓で血管が詰まることで起きると考えられている。

 もうひとつのパターンは新型コロナウイルスの一部が肺から血管に入り込み、血管内皮細胞表面にあるACE2と呼ばれる酵素を介して血管内皮細胞に侵入して感染し、血管に炎症を起こして傷つけるケースだ。

 そこで血栓ができ、それが直接血管を詰まらせたり、何かの拍子に末梢に飛んで血管を詰まらせたりするという。

 しかも、いったん血管の炎症が野火のように広がると、サイトカインストームが発生して、全身の血管に大量の血栓が生まれる。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…