腎臓<上>40代から死滅が始まる毛細血管を蘇らせる睡眠法
つまり、腎臓の働きが良くなるのも悪くなるのも、ひとえに毛細血管の健康状態にかかっているというわけだ。毛細血管は動脈と静脈をつなぐ血管で、全身に網の目のように張り巡らされている。健康な毛細血管の場合、内皮細胞は1000日ほどで新しい細胞に入れ替わる。ところが40代くらいから新陳代謝されずに死滅してしまう内皮細胞が増え、45歳ごろからぐんと少なくなる。60代では、毛細血管の数が20代に比べ4割も減るといわれているという。
しかし、心配は無用。毛細血管は、何らかの障害を受けて途切れるなどしたときに、別の新しい毛細血管が作られる「血管新生」や「血管修復」が大きな特徴。同じ血管でも動脈と静脈の数は増えることはないが、毛細血管だけは何歳になっても自分で増やすことが可能という。
「毛細血管の『収縮』と『弛緩』という2つの動きは、その毛細血管が通っている組織の酸素濃度と自律神経によってコントロールされています。酸素が必要でない場合は収縮し、酸素が必要な場合は弛緩します。また、交感神経が優位なときは収縮し、副交感神経が優位なときは弛緩します。このような性質から『睡眠』『運動』『呼吸』の3つの方法を実践することで、毛細血管を回復させたり、増やしたりすることができます。どれも最新の医学研究に基づき、考え出した方法です」