加齢黄斑変性症と新型コロナの関係 重症化しやすく死亡率増

公開日: 更新日:

 これに関連して昨年8月の「ネイチャー・メディシン」という権威ある欧米の医学雑誌に注目すべき論文が掲載されている。

 コロンビア大学アービング医療センターが米国のニューヨーク州内の病院に入院した6398人を対象に新型コロナ感染症患者の調査を行ったところ、加齢黄斑変性症の患者は88人いて、うち19人が気管挿管が必要となったことなどを報告。血小板減少症や血栓症などの血液凝固に関わる疾患と同様に新型コロナ感染症の重症化リスクが高いことを示唆している。それも、他の患者よりも早く重症化しやすく、死亡する割合が3倍高かった。

「米国眼科学会のホームページの記事は、この論文の反響が大きく、眼科専門医の団体として無視できなくなったのではないでしょうか」

 もちろん、米国眼科学会のホームページでも触れているように、加齢黄斑変性症の患者は高齢で、同時に糖尿病や高血圧など新型コロナの感染・重症化リスクを抱えていることが多い。しかも、88人のデータだけでは加齢黄斑変性症だけが新型コロナ重症化の直接のリスクとは言い切れない。ホームページの記事が「加齢黄斑変性症の患者の新型コロナ感染症合併リスクを明らかにするには、より大規模で詳細な研究が必要です」と控えめな表現となっているのはそのためだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇