55秒未満ですべての便がするっと出ない人は腸内環境が悪い
一方、腸内環境が悪いと便はカチカチに硬くなったり(タイプ1、2)、水っぽく軟らかくなる(タイプ6、7)。
「便の状態は、一般的に腸内にとどまっている時間によって変わってきます。腸は食べた物を口側から肛門側までスムーズに移動させるために蠕動運動を繰り返しています。腸の健康状態が悪く蠕動運動が鈍くなると、食べた物が腸内を通過する時間が長くなって水分がどんどん吸収され、便は硬く黒くなります。逆に腸の蠕動運動が活発になりすぎると、腸内を短時間で通過してしまうため水分吸収が不十分になって便は軟らかく黄色っぽくなるのです」
近年、腸の不調度を判断する目安として、「排便困難感」と「残便感」が重視されるようになった。2017年に日本で初めて発行された「慢性便秘症診療ガイドライン」では、「迅速かつ完全なる排便」を目指すことが理想とされている。それまでは排便の回数や頻度ばかりが注視されていたが、それよりも「スムーズにすべての便がするっと出るか」を気にすべきということだ。