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佐野靖子ミラザ新宿つるかめクリニック婦人科医師

ミラザ新宿つるかめクリニック婦人科医師。順天堂大医学部卒。同大産婦人科入局後、非常勤助教を経て現職。医学博士、日本産婦人科学会専門医、日本女性医学学会専門医。専門は更年期障害、女性のヘルスケア。

低用量ピルを飲み続けると子供ができにくくならないのか

公開日: 更新日:

 最近では10代後半から治療のために低用量ピルを使用する女性も増えてきました。そこでよく聞かれるのが「低用量ピルを飲むと将来的に子供ができにくくなりませんか?」という質問です。

 特に10代の娘さんをもつお母さんから聞かれることが多く、今後妊娠・出産を考えていく時期ですから心配になるのは当然のことだと思います。

 低用量ピルは排卵を抑えるお薬です。そこで使用していると「排卵が起こりにくくなるのではないか」という懸念は以前からあり、事実を解明するために多くの研究が実施されました。その結果、製剤の種類によって若干の違いはあるものの、どの低用量ピルにおいても服用終了後3カ月以内に約90%で排卵が再開することがわかっています。

■低用量ピル中止後1年以内の妊娠率は84~88%

 それでは実際に妊娠の希望があって低用量ピルを中止した場合、妊娠するまでにどのくらい時間がかかるのでしょうか。

 2009年に「Obstetrics and Gynecology」に発表された論文では、低用量ピルを中止して最初の1周期目で21.1%、3周期目で45.7%、1年後には79.4%、2年後には88.3%に妊娠が認められました。その他の研究でも中止後1年以内に84~88%に妊娠が成立したと報告されています。また中止後の妊娠率は低用量ピルを飲んでいなかった人とかわらないことも報告されています。

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