薬剤性眼瞼けいれんにご用心 まぶたのピクピクから始まり…
新型コロナの影響で気持ちがふさぐなど、心が不安定になっている人も少なくないのではないか。だからこそ知っておくべき目の病気がある。睡眠薬、向精神薬、抗うつ薬、抗不安薬などの神経系に働く薬の服用で発症することがある「薬剤性眼瞼(がんけん)けいれん」だ。眼瞼けいれんの診断と治療の専門家で「清澤眼科医院」(東京・江東区)の清澤源弘院長に聞いた。
「眼瞼けいれんは、両側のまぶたを閉じる筋肉(眼輪筋)が持続的に収縮し、それが間をおいて繰り返す病気です。自分の意思で止められるものではありません。発症は、下まぶたのピクピク感から始まり、次第に広がって、症状が進むと自力では目を開けられず、実質的に失明状態になります。進行はゆっくりですが、自然に治ることはまれです。その原因は、大脳基底核にある運動抑制システムの機能障害と考えられています。これを本態性眼瞼けいれんと呼び、中高年の女性に多い病気です。ほかに、パーキンソン病など神経内科疾患に見られる症候性眼瞼けいれん、向精神薬や抗不安薬の常用による薬物性眼瞼けいれんがあります」
この中でも最近目立つのは若い人に多い薬物性眼瞼けいれんで、次のようなケースがあったという。