薬剤性眼瞼けいれんにご用心 まぶたのピクピクから始まり…
眼瞼けいれんの患者はドライアイを併発していることが多い。「シルマーテスト」(試験紙を下まぶたの両端に挟んで涙の量を計測するテスト)をすると、やはりこの女子学生はドライアイも併発していたことがわかった。
「話を聞くと、勉強が忙しくてよく眠れず、4年ほど睡眠薬を飲んでいたということでした。眼瞼けいれんは、『片側顔面けいれん』やけいれん箇所が限られていて瞬目に異常のない『眼瞼ミオキミア』『眼瞼下垂』『パーキンソン病』などとの鑑別が必要です。それを行ったうえでこの女子学生の患者さんは『ドライアイ合併の薬剤性眼瞼けいれん』と診断しました」
残念ながら眼瞼けいれんに根治療法はなく、対症療法で症状を抑えつつ、基本的に一生付き合っていくことになる。
ただし、薬剤性眼瞼けいれんの場合は、その原因となる薬剤を中止すれば治る場合も多い。しかし、薬の中断は症状を悪化させる可能性があるうえ、離脱症状(睡眠障害、不安、筋肉痛、振戦、頭痛、嘔気、体重減少、発汗、霧視、変視症、感覚過敏、感覚鈍麻、動揺感など)が起こる可能性があり、原因薬の減量・中止が困難なことも多い。