著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

マダニとツツガムシが媒介する6種類の感染症 死亡例も

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 しかしライム病も回帰熱も、テトラサイクリン系の抗生物質がよく効くことが分かっています。また、ボレリアを持っているマダニは少数派であることも分かっているので、過度に心配する必要はなさそうです。

■野ウサギが減り幻の病気になった「野兎病」

 「野兎病」は野兎病菌という細菌の感染によって起こる病気です。感染した野ウサギをつかまえて、素手で皮をはいだり解体したりすると感染しますし、この細菌を持っているダニからも感染します。インフルエンザのような症状のほか、リンパ節が腫れたり痛んだり、皮膚がただれたりといった症状が長期間(年単位)続きます。戦前から戦後にかけて、全国で毎年数十人が感染していました。しかし、ストレプトマイシンがよく効きますし、野ウサギが減ったこともあって、いまではほとんど幻の病気になっています。

■死ぬこともある「日本紅斑熱」「ツツガムシ病」

 「日本紅斑熱」と「ツツガムシ病」は、リケッチアと呼ばれる細菌よりは小さくウイルスよりも大きい病原体が引き起こす病気です。リケッチアの種類は違うのですが、症状はほとんど一緒で、発熱、発疹、倦怠感、頭痛などが主な症状です。テトラサイクリン系の抗生物質がよく効くため、早めに治療すれば、さほど怖い病気ではありません。ただし治療が遅れると死亡することもあります。

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