永田宏
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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

なぜ公園でくつろぐ高齢者は蚊に刺されてもかゆく感じないのか

公開日: 更新日:

■蚊に刺されるほど遅延反応が弱まる

 小学校に上がるころまでには、蚊の唾液に対するIgEと呼ばれる抗体が作られるようになります。蚊に刺されてIgEが反応すると、皮膚の中にあるマスト細胞(肥満細胞)と呼ばれる細胞からヒスタミンなどが分泌され、痒みと腫れを引き起こします。仕組みとしては、花粉症などと同じです。ただし反応する相手(アレルゲン)が違っているわけです。

 この反応は、刺されてから数分以内に起こるので、即時反応と呼ばれています。即時反応は30分もすれば治まりますが、1日か2日後には遅発反応も起こります。つまり即時と遅延の連続技で、一刺しで二度痒い思いをするわけです。

 さらに年齢が上がって、蚊に刺された累積回数がどんどん増えてくると、次第にT細胞やマクロファージが慣れてきて反応しなくなり、遅延反応が弱まっていきます。そして即時反応だけになるのです。体質や、いままでにどれだけ刺されたかにもよりますが、だいたい50代から60代になるころには、遅延反応はなくなるようです。それでも即時反応は残っていますから、刺された直後から30分ぐらいは、痒さや腫れが続きます。

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