姿を消していたトコジラミがインバウンドブームで強力復活
しかしツバメは野鳥保護管理法で守られていますから、抱卵・育児期間中は、勝手に巣を撤去することが許されていません。いちいち都道府県知事に申請する必要があります。この病院では14個の巣を撤去し、そのすべてからツバメトコジラミが検出されたそうです。またアメリカのアリゾナ州のある病院で、ツバメの巣からトコジラミとダニが院内に侵入し、入院患者の17%が刺されといった事例が報告されています。
野鳥の中でもツバメは愛されキャラの代表格ですが、やはり野生動物であり、有害な虫が寄生していることを忘れてはいけないでしょう。また気づかぬうちにツバメトコジラミに刺されている人が相当数いる可能性があります。
そのことに関連して思い浮かぶのが、昨今のSDGsブームです。「生物多様性」や「生態系の保護」を目標のひとつに掲げていますが、ツバメを含めた野生生物の保護はいいとしても、その付録として面倒な昆虫たちもついてくるわけです。そういうこともひっくるめて、SDGsをどこまで本気で推進するのか、一度じっくり考えてみるのもいいことだと思います。