姿を消していたトコジラミがインバウンドブームで強力復活
数年前、出張で東南アジアに出かけた友人が、「現地で虫に喰われてひどい目にあった」と言っていました。夜中に強い痒みに襲われて寝られなかったようです。シーツの上に、茶色い小さなゴキブリのような虫がいたので、すぐに写真を撮って画像検索すると、「トコジラミ」と返ってきた、というのでした。
トコジラミは、以前は「南京虫」と呼ばれていた、吸血性の昆虫です。カメムシの仲間ですが、シラミと同じくらい痒いからでしょうか、これが正式な和名になっています。ちなみに英語では「Bed bug」と言います。日中はベッドの継ぎ目などに潜み、夜中に出てきて寝ている人を刺すので、実体をよく表した呼び名だと思います。
「海外で安ホテルに泊まったら南京虫に気をつけろ」というのが、海外出張のベテランやバックパッカーたちの常識だそうです。しかしこの友人は、四つ星クラスの結構まともなホテルに泊まったのに、南京虫にやられてしまいました。
とはいえ、おそらく以前どこかで、すでにトコジラミに刺された経験があったのでしょう。というのもトコジラミが痒いのは、他の吸血昆虫と同じ理由、つまり彼らが吸血するときに出す唾液に対するアレルギー反応だからです。