お酒を飲まない人の肝臓病「NASH」には糖尿病薬が有効との報告が
これは、日本を含む16カ国143施設で行われたプラセボ(偽薬)との比較試験の結果。使われたGLP-1受容体作動薬は、日本で2020年に2型糖尿病患者に対して承認された週1回皮下注射するセマグルチドだ。
NASHの改善は、セマグルチド0.1ミリグラム投与群で40.4%、0.2ミリ群で35.6%、0.4ミリ群で58.9%と、プラセボ群の17.2%に対し、いずれも有意差が見られた。
線維化を伴うNASHでは線維化の改善は見られたが、プラセボ群との間に有意差はなかった。しかし、線維化が進んだ患者の「悪化を防ぐ」点についてはGLP-1受容体作動薬の有効性が認められ、繊維化のバイオマーカーも改善した。
「今回の試験は投与期間が1年半。線維化の改善には時間がかかるので、2年や3年と長期的に投与すると線維化の改善が期待できる。早ければ2年半先にはNASHの治療薬として承認申請が行われる可能性がある」
となると、NASHの初の承認治療薬となる。
■肝生検なしで確定診断が可能に