パンデミックを終わらせる唯一の方法は「ワクチン平等」 米国でフレーズが聞かれるように
ニューヨークではオミクロン株の感染がピークを越えましたが、果たして次の波は来るのか? この疑問とともに「平等なワクチン接種」というフレーズが聞かれるようになっています。先進国でどんなにワクチン接種が進んでも、接種率が低い開発途上国や地域が残ればそこから新たな変異種が発生してくるからです。それを防ぐために今、関心の的になっているのは、テキサスの研究者が開発した「安くて特許の縛りがない」ワクチンです。
「コーババックス」と名付けられたワクチンは、ファイザーやモデルナの最新鋭mRNA型とは違い、40年前に開発されたイースト菌を使ったB型肝炎ワクチンの製造技術を応用しています。テキサス小児病院の2人の研究者ピーター・ホーテス博士とマリア・エリーナ・ボタージ博士はSARSとMERS流行の時にワクチン開発を始め、資金が尽きて中止していたのを新型コロナ流行と同時に再開。その費用のほとんどは政府ではなく寄付で賄ったといいます。
研究開発費が莫大で厳格な特許に守られたmRNA型に比べ、価格も安く保存も簡単。世界中にあるB型肝炎ワクチンの製造施設をつかってすぐ作り始められる。そしてそれ以上に驚きなのは、製造技術を特許で守らない、つまり開発者はこのワクチンで儲けるつもりはないという意思を明らかにしていることです。