健康に良い食品かどうか一目でわかる指標「NRF」に注目 コロナ対策にも有効
これらの結果を念頭に置いて食品選びをするといいのは、もともとタンパク質、食物繊維、ビタミン、ミネラルなど推奨すべき栄養素の摂取量が少ない日本人において、コロナ禍でより栄養バランスの偏りが見られてきているからだ。
「コロナ前と後の外食支出の変化からもわかるように、コロナ以降、外食は大幅に減少し、中食(市販の弁当や総菜、テークアウト品)と内食が増えています。農水省の『食育に関する意識調査』では、主食、主菜、副菜を組み合わせた食事を1日2回以上ほぼ毎日食べている日本人の割合は、コロナ禍の2020年に激減。これによって生じるのは、特に野菜、魚、果実の摂取量の低下で、結果、栄養面ではビタミン摂取量が低下してしまうのです」
コロナの前になるが、2019年の国民健康・栄養調査結果では、1日当たりの野菜必要量に届いている年代はナシ。魚は2008年を境に肉の摂取量を下回りずっと下降。果物は1人当たり1日の消費量、世界平均203グラム、アジア平均181グラムをいずれも下回る140グラムとなっている。
「ビタミンの摂取量が少なければ、前出の通り感染症のリスクが高くなりますし、長期的には認知症、うつ病、心血管障害などのリスクを高めます。NRFを活用し、食べるべき食品を正しく選んで欲しい」
NRFは論文で発表されていてインターネットでチェックできるが、一般の人には難解かもしれない。実際に食品を選ぶ時は、できる限り素材そのままのもの、加工していないものにする。前述した食品群でNRFが高いものが多くなる献立にするのも手だ。