【風邪】効かない抗菌薬を安易に使うと耐性菌の出現につながる
以前、私が学校薬剤師を務めている小学校で保護者にアンケートを行ったことがあるのですが、半数の保護者は「風邪には抗菌薬が必要」と考えていて、「処方を希望する」と回答されていました。このような一般消費者に対するヘルスリテラシー教育も非常に大切ではないかと考えています。
一方で、風邪だと思っていても逆に抗菌薬が必要なケースもあります。たとえば「急性咽頭炎」はA群溶血性レンサ球菌が原因のケースがありますし、「急性気管支炎」ではマイコプラズマやクラミジアが原因になることもあります。
とはいえ、A群溶血性レンサ球菌は迅速抗原検査などで調べることが可能ですから、抗菌薬が必要な場合には患者さんが何も言わなくても、医師が処方するはずです。
くれぐれも診察を受けた時に患者さんから抗菌薬を希望することはやめましょう。必要か否かについては医師の判断に委ねることも非常に大切なことだといえます。