安くて安全なはずだったウクライナの医大…留学生は決死の脱出
ロシアの侵攻による戦火を逃れるために、3月10日時点で200万人以上のウクライナ人が国境を越えて避難しています。そして避難民の中には少なくない数の留学生がいて、人によってはウクライナ人以上の困難を体験したことはあまり知られていません。
最初に報道されたのは2月下旬。ウクライナ人に交じってポーランド国境を越えて避難しようとしていた主にアフリカやインドからの留学生から、「ウクライナ人より後回しにされた」「バスに乗せてもらえず長距離を歩かされた」「国境警備員から理由のない暴力を受けた」などの事象が次々に報告されました。
報道に対し国連安保理事会のアフリカ各国の代表は、これらの行為は人種差別であり、国際紛争の際に加盟国の国民は安全な退路を得る権利があると定めた国連の規約違反であると非難しました。
また、注目されたことのひとつは、こうした留学生のほとんどがウクライナ各地の医科大学に通っていた点です。
ウクライナは旧ソビエト時代に高等教育強化の一環として、留学生の受け入れを増やすために医科大学で英語での授業を開始しました。地方都市の大学に留学生が増えることで経済を活性化するという目的もあったそうです。