「蕁麻疹」治療最前線 非常に効果の高い新薬も登場した
「初診では時間をかけて問診をし、アレルギーが疑われれば原因物質を調べる検査を行います。一方、原因特定が困難と判断すれば検査はせず、薬の治療に進みます」
原因を特定できる可能性が低いのに、「あれが原因? いや別の?」とさまざまな検査を行うのは、推奨されていない。
治療は段階的に行われる。第1ステップが、抗ヒスタミン薬。眠気が少ない第2世代抗ヒスタミンを使う。
「2週間程度様子を見て効果が不十分なら、薬の量を増やすか、別の抗ヒスタミン薬に替える、または追加する。これで2週間程度様子を見ます」
■治療の第2ステップで6~7割が改善
それでも効果不十分なら、抗ヒスタミン薬に、ロイコトリエン拮抗薬、H2拮抗薬(H2ブロッカー)、ジアフェニルスルホンを補助的に用いる。これが第2ステップだ。ロイコトリエン拮抗薬は鼻炎に、H2拮抗薬は胃痛や胃もたれに使われる薬で、蕁麻疹には保険適用外となる。
「『抗ヒスタミン薬倍量+第2ステップ』で6~7割くらいが改善します。これでコントロール不良の患者さんには、第3ステップとして、免疫抑制剤シクロスポリン、経口ステロイド薬、2017年に慢性特発性蕁麻疹に保険適用となった生物学的製剤オマリズマブが選択されます」