葉山惟大
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葉山惟大日本大学医学部付属板橋病院皮膚科病棟医長/皮膚科専門医

繰り返す蕁麻疹の多くは原因不明 抗ヒスタミン薬で痒みを抑える

公開日: 更新日:

 慢性蕁麻疹は、はっきりと原因を特定できない皮膚疾患の一つです。

 さまざまな形の発疹が出ますが、ミミズばれや地図のような痒みのある皮疹が典型的です。夜間にこの症状が出ることが多く、日中は症状が治まっていることもあります。そのため日中の診断が難しく、専門家でないと正しく診断ができないケースも少なくありません。

 慢性蕁麻疹は20~40代と比較的若い世代に出やすい。前述の通り原因ははっきりと分かっていないのですが、ストレスで悪化します。ちなみに「慢性」とは6週間以上、繰り返し蕁麻疹が出る場合を指します。

 最近は新型コロナウイルスのストレスで患者さんが増えています。特にサービス業の方や看護師、介護士、保育者の方といった、人に対応する職業の方々に加え、子育て世代の女性にも増えている印象です。食事やアレルギー性の一過性の蕁麻疹と異なり、慢性蕁麻疹は長期間、痒みが続くため、発症すると大変悩まれることが多いです。

 私の患者さんのA子さん(当時15歳)は、学業と部活に充実した学生生活を送っていたのですが、ある時、ポツポツと発疹が出るようになりました。市販の痒み止めで症状を抑えられていたのは最初のうちだけ。次第に痒みがひどくなり、痒みで眠れないほど悪化しました。

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