「蕁麻疹」治療最前線 非常に効果の高い新薬も登場した

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 シクロスポリンは保険適用外。経口ステロイド薬は1カ月以内に減量または中止のめどが立たなければ他の治療へ変更を検討となっている。

「私は主にオマリズマブを用います。日本で皮膚免疫アレルギー学会の会員を対象とした調査でも、慢性特発性蕁麻疹で第2ステップでも効果が不十分な患者さんには、オマリズマブを用いている医師が多いとの結果が出ています」

 慢性特発性蕁麻疹の患者を対象にしたイタリアの後ろ向き研究では、難治性患者でオマリズマブを投与した470例のうち、全く効果が見られなかった患者は1割で、9割の患者に効果が見られた。葉山医師の臨床経験でも、同様の割合。また、オマリズマブは月1回の注射薬になるが、3回の投与で6割ほどがコントロール良好になる。

「オマリズマブは非常に効果の高い薬ですが、注射がやや痛いという難点があります。そのせいか、自己注射も認められているものの、ほとんどの患者さんが外来受診で投与しています」

 現在、国内外で蕁麻疹の新たな薬の研究が活発に行われている。オマリズマブとは作用機序が異なる分子標的薬(蕁麻疹の原因となる細胞を直接抑える薬)など、何年か後には、新薬が登場していることが考えられる。

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