小腸はがんが少ない 腸捻転で手術した友人からのメールで浮かんだこと
胃がんで、胃全摘の手術を受けた方が、「医師から『胃はないので、今後は胃がんの心配はなくなりました』と言われた」と話していたことを思い出します。胃全摘を受けた方の「慣れるまでの大変さ」についてはよく耳にします。少ししか食べられない、脂肪の取り方に注意が必要、食後に気分が悪くなるダンピング症候群、下痢……その大変さは当事者でないと分からないことだと思います。たとえば「胃なし会」のように、お互い知恵を絞って意見を交換し、助言し合う集まりもあるようです。
■小腸は体全体の免疫を支配している
小腸はとても長い臓器です。小腸では、食べ物が通過する過程で必要な栄養を吸収しています。
そのため小腸の切除は(切除された長さが関係すると思われますが)、胃全摘とは違って、「短腸症候群」と言われる下痢に悩まされることが多く、手術後の栄養の取り方の大変さがあります。長期間、中心静脈栄養を行う場合もあります。
小腸の切除では、まれですが腸捻転や腸間膜動脈血栓症などで急激に腹痛が起こり、腸管壊死で緊急手術が行われることがあります。Yさんは、その腸捻転が起こったと考えられます。