自宅での療養だから好きなものを好きなように食べられる
「がん治療を積極的に行ってこなかったの。自分が嫌だと思ったことはしたくないのよ。残りの少ない人生も、自分の思う通りに過ごしたいわ」
そうさらりとおっしゃいます。
彼女はこれまでの人生を話してくれました。若い時分に両親の反対を押し切って渡米。結婚し、3人のお子さんに恵まれたものの離婚。3年前、乳がんと診断されたのを機に、すでに成人している長男を元夫のところへ残し、16歳の次男と20歳の長女と共に日本へ戻ってきたそうです。
かつてはアメリカ行きを反対した両親ですが、娘を温かく受け入れ、現在は両親、彼女、2人の子供の5人暮らし。
昔から食べることが大好きだったという娘さんに対し、お母さまの願いは「できるだけ娘の好きなものを食べさせてあげたい」というもの。
「体調はどうですか?」と聞くと、「お腹が痛くてご飯が食べられないのでつらい。食欲はあるんですけど、食べるとお腹が張っちゃって」との答え。お母さまが「(娘が)がんに効く料理を作ってくれない、って言うんですけど、私も難しくて」。