「認知症が回復した」というのは脳がどんな状態にあるのか?
また、冒頭の4種類の認知症でも、レビー小体型認知症の患者さんの場合、「奇跡の回復」がみられるケースがあります。ただ、これは“錯覚”です。レビー小体型認知症では、脳内のドーパミンが不足し、手の震えや動作・歩行困難といったパーキンソン症状が認められます。体が動かせずに寝たきりになったり、会話ができなくなりますが、ドーパミン量を増やすパーキンソン病の治療薬「レボドパ製剤」を投与すると運動障害が改善するケースがあるのです。
その際、認知機能自体は回復していないのですが、身体機能の著しい改善に「奇跡の回復」と感じられる患者さんやご家族は多いですね。
いずれにしても、家族が認知症になったなと思ったら、まずは病院で精密検査をしてもらいましょう。早めに病院に付き添って、通院を開始してあげてください。
水頭症の場合は、尿失禁・歩行障害が同時に起きることが多いです。“治る認知症”であっても、放置していると悪化してしまう可能性があります。
▽江越正敏(えごし・まさとし) 佐賀大学医学部を卒業後、病院・美容クリニックでの勤務経験を経て、2020年にファイヤークリニックを開業。西洋医学から東洋医学にわたって世界中から集積した独自の短期集中型医療ダイエットを開発する。