男性と女性ではリスク因子が異なるケースがあると意識したい
家庭にはあれこれ食品が備蓄されていて、思い立ったらすぐに何か食べることができるので、知らず知らずのうちに食べ物を口にしている回数が多くなりがちです。お菓子やケーキといった甘いものをちょこちょこ食べているケースもあるでしょう。そうした積み重ねが内臓脂肪を増やしたり、肥満につながります。
家庭で過ごす時間が多い女性は運動不足にもなりやすく、なおさら肥満を招きやすいといえます。肥満は、脂質異常症、高血圧、糖尿病のリスクを高めます。これらは重なれば重なるほど動脈硬化が進行し、心臓疾患が発症しやすくなってしまうのです。
また最近、フランス国立衛生医学研究所などの研究で、人工甘味料の総摂取量が多い人は、心血管イベントのリスクがアップすると報告されています。近年は、人工甘味料を使ったスナックや飲料、低カロリーのインスタント食品などが増えているので、家庭で無意識に口にしている人は注意したほうがいいかもしれません。
冒頭でお話しした研究論文では、「男性と女性で同様の心血管疾患予防戦略をとることが重要」としています。もちろんそれは大前提としたうえで、男性と女性ではかかりやすい心臓疾患が異なるケースがあり、より注意すべき生活習慣もあると意識しておきましょう。