「不安」があなたを強くする!幸せに生きる武器になる!
あるいは、コロナに対して不安があるからこそ、私たちは「備えあれば憂いなし」ではないですが、自分で可能な限り対策を講じたり、感染予防に努めようとします。正しく怖がるからこそ、正しい知識や情報を取り入れようと考えるわけです。このように、不安は人間にとって欠かせない本能であり、危機を察知するレーダーのような役割を持っているのです。
ハーバード・ビジネス・スクールのブルックスの研究(2013年)では、「脳はリラックス状態以上に興奮状態にあるほうが、ポジティブな状態だ」と主張しています。ブルックスは、不安な状態からリラックスした状態に落ち着かせるよりも、不安な状態から興奮状態に移行したほうがパフォーマンスが上がることを実証しています。
もちろん、コロナそのものへの不安を興奮と置き換えるのは難しいですが、生活や仕事の中で抱える不安においては、ブルックスの研究は役に立つはずです。
また、リスボン大学の著名な神経学者・ダマシオは「感情を抑制することが、より良い決断につながるというのは間違いだ」と話しています。不安な状態にあるからこそ、状況をより客観視できるわけで、“不安は知性の証拠”でもあるのです。