言動がガラリ一変…認知症の「日内変動」はなぜ起こるのか
ですから、レビー小体型認知症以外で日内変動が起こる場合、せん妄が重なっている可能性が高いでしょう。せん妄は、別の病気や薬の影響による意識障害です。認知機能の低下と相まって、一日の間で言動がガラッと変わってしまう患者さんがいます。
日内変動そのものは予防はできませんが、介護者の負担を軽減する対策は可能です。まずは、日内変動に合わせた生活のパターンを把握しておきましょう。レビー小体型認知症の場合、夕方以降に症状が悪化するなど、リズムが決まってきます。患者さんが出歩ける状態であれば、散歩や買い物、近所の人との交流は午前中に済ませ、午後3時以降は休息を取らせて、外出をしないといったスケジュールを組めます。
また、患者さんは「自身の言動は正しい」と思っているので、まずは肯定してあげましょう。常に理解を示してあげると症状が悪化しにくいことが分かっています。
▽関根一真(せきね・かずま) 2008年北里大学医学部卒業後、日本鋼管病院呼吸器内科勤務。緩和ケアチーム、栄養サポートチーム(NST)、感染対策委員会、呼吸管理委員会の運営・回診に従事。16年から医療法人ゆうま会赤尾内科クリニック診療部長、19年からはアーチクリニック院長を務める。