認知症の親が、がんの手術を迫られた…症状が悪化するリスクは?

公開日: 更新日:

 認知症患者に大きい手術を受けさせることは病気を治せても認知症症状悪化のリスクはあるのでしょうか──。介護をするご家族から聞かれることがありますが、当然、一定のリスクはあると思います。

 しかし、手術が必要になるような「がん」や「心臓病」は命に関わるものであるケースが多いため、リスクとベネフィットを考慮して実施されます。医療現場としては、回復の可能性があれば手術を勧めますが、高齢である状況から手術ではなく緩和ケアを選ぶケースもあります。手術以外の選択肢がある場合にはそちらを選択することも少なくありません。たとえば食道がんなら、手術ではなく化学療法+放射線治療を選択します。

 決断については、本人が医療行為への同意能力が失われている場合、家族から同意を得るのが一般的です。手術で認知症症状が悪化する理由として、麻酔薬の影響が指摘されています。

 ただ、論文では「問題ない」とする研究結果と、「認知機能を低下させる」という研究結果があり、結論は出ていません。さらに、麻酔方法(全身麻酔か局所麻酔か)や麻酔薬の種類をはじめ、手術の侵襲度、手術時間、出血量、手術中の低血圧や低酸素、低体温といった別の因子が関連するため、麻酔薬だけにリスクがあると言い切るのも難しい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    “3悪人”呼ばわりされた佐々木恭子アナは第三者委調査で名誉回復? フジテレビ「新たな爆弾」とは

  2. 2

    フジテレビ問題でヒアリングを拒否したタレントU氏の行動…局員B氏、中居正広氏と調査報告書に頻出

  3. 3

    菊間千乃氏はフジテレビ会見の翌日、2度も番組欠席のナゼ…第三者委調査でOB・OGアナも窮地

  4. 4

    中居正広氏「性暴力認定」でも擁護するファンの倒錯…「アイドル依存」「推し活」の恐怖

  5. 5

    大河ドラマ「べらぼう」の制作現場に密着したNHK「100カメ」の舞台裏

  1. 6

    フジ調査報告書でカンニング竹山、三浦瑠麗らはメンツ丸潰れ…文春「誤報」キャンペーンに弁明は?

  2. 7

    フジテレビ“元社長候補”B氏が中居正広氏を引退、日枝久氏&港浩一氏を退任に追い込んだ皮肉

  3. 8

    下半身醜聞ラッシュの最中に山下美夢有が「不可解な国内大会欠場」 …周囲ザワつく噂の真偽

  4. 9

    フジテレビ第三者委の調査報告会見で流れガラリ! 中居正広氏は今や「変態でヤバい奴」呼ばわり

  5. 10

    トランプ関税への無策に「本気の姿勢を見せろ!」高市早苗氏が石破政権に“啖呵”を切った裏事情