コロナワクチン接種で「帯状疱疹」は本当に増えているのか?
そうなると、人の体内ではどんなことが起きるのか。コロナワクチンウイルスに対する抗体を作ることが最優先となるため、ほかの感染症の免疫抗体を作る量が減少する傾向となります。コロナ以外の感染症の発症が増え、その中に帯状疱疹も含まれるというわけです。
今年の春に当クリニックに来られた60代の患者さんの話をしましょう。
コロナワクチンを接種されている方で、5回目の接種から約1カ月が経った頃、左腕に起きたしびれを不安に感じて来院されました。しびれが脳内の異常によるものではないかと心配されたようです。
すぐに頭部MRI検査を受けてもらいましたが、異常は見られない。「もしかして」と思い左腕を見せてもらうと、肩に帯状疱疹の赤い発疹が出始めていました。
帯状疱疹ウイルスが再活性化したせいで、左腕の神経痛が出たと診断した私は、患者さんに抗ウイルス薬を処方。神経痛と帯状疱疹の発疹は改善されました。
これはあくまで私の考えですが、コロナワクチンを3回以上接種した後に、帯状疱疹を発症する人が増えているように思います。3回以上のワクチン接種により体内の抗体が新型コロナを予防することにかかりっきりになって、これまで抑えていた帯状疱疹ウイルスへの備えが緩んでしまうのではないかと考えています。