著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

「飲みニケーション」はセロトニンを活性化させる場でもある

公開日: 更新日:

 賛否両論のある「飲みニケーション」ですが、人付き合いの練習の場だと考え、相手がどんなことを考えているか、どういう感情なのかを考えながら話を聞くことが重要です。もちろん、ハラスメントになるような飲みの場であれば考えものですが、飲みの席はセロトニンが活性化しやすくなることも事実なのです。

 飲みの席には、さまざまな人が来ます。多種多様な人がいる、それはつまり、たくさんのパターンに出会えるということでもあります。どんな相手にでも対応できるように、脳を鍛える(セロトニンを活性化できる)場だと考えると、あまり乗り気のしない飲み会や食事の席も、素晴らしい明日への投資になる可能性を秘めているということ。

 一方で、上司が部下を誘うといった会社内の「飲みニケーション」の場合は、相手が話しやすい環境をつくる必要があります。過度に仕事の話ばかりすると、相手の息が詰まってしまいます。セロトニンが適正に分泌されるためには、リラックスした状態でのコミュニケーションが重要とされています。緊張感が伴うような環境や、配慮とマナーが守られていないような席ともなれば、部下は萎縮し、心は休まりません。せっかくセロトニンが分泌し、闊達なコミュニケーションが広がる可能性を、上司が潰してしまっては元も子もありません。

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