検査で異常なし…なのに寝返りが打てないくらい痛みが増してきた
術後数日の経過は、痛みは消えたものの右足のしびれがまだ残るとのこと。引き続きの経過観察で、およそ1カ月後にはしびれがだいぶ軽減していました。
さらに半年後、しびれの状態は変わりません。今後はひょっとしたらしびれについては残る可能性を説明した上で、過ごし方として、安静にするのではなく逆に、日常的に歩行をするなどの軽い運動を心がけるようにすることもお伝えしました。これは運動により筋肉をつけることなどで、症状改善につながるためです。
「朝起きた時に少ししびれた感じはありますが、おかげさまで体を動かして活動すると薄らいでいく感じです」
1年後となる今では症状は安定している様子で、引き続き入浴や入浴後のストレッチ、貧乏ゆすり(これに関しては、また詳しく取り上げます)など、体を動かすことをお勧めしました。
長年にわたり腰痛で悩まれている方の中で、レントゲン撮影は受けたが、MRIはまだという方が少なくありません。
実はレントゲン撮影のみでは、椎間板ヘルニアを正確に診断することは非常に難しいのです。それゆえに異常なしと診断され、原因不明の腰痛として何の治療も行われない。結果として、我慢しながら腰痛を抱えて生活をするというケースが珍しくありませんでした。
ですが、近年はMRIなどの検査機器の発達により、以前より腰痛の原因の発見が容易になりました。もし撮られたことがない方は、もう一度MRI検査をお勧めします。
(ILC国際腰痛クリニック東京・簑輪忠明院長)