20~40歳は「血液検査」で生活習慣病の兆しを把握する
心臓を守り、突然死を防ぐために受けておくべき検査は、年代によって変わってくると前回お話ししました。今回は働き盛りの中高年世代について取り上げます。
まず、20歳代から40歳くらいまでは詳細な「血液検査」が重要です。突然死もある心臓病につながる生活習慣病の“兆し”を見つけることができるのです。この年代は、徐々に肥満が進んで体形が変わるなどにより、血圧や血糖値が高くなってくるケースが少なくありません。さらに、遺伝的な高脂血症、糖尿病、高血圧などの体質が加わると、動脈硬化性の疾患が早い段階で現れるリスクが高くなります。その年代で初めて症状が現れたと同時に突然死という場合もあるのです。そうした最悪のケースを回避するために、血液検査が大切になってきます。
定期健康診断の健診項目は労働安全衛生規則で定められています。その項目には血液検査も含まれていて、「一般血液検査」と「生化学検査」が実施されます。一般血液検査では貧血や炎症の有無などがわかります。心臓を守るためにより重要なのは生化学検査で、脂質(中性脂肪、HDLコレステロール、LDLコレステロール)、血糖(空腹時血糖、HbA1c)、肝機能(GOT、GPT、γ-GTP)などから、生活習慣病のリスクを推測することができるのです。