「放っておいてもいいかなぁ」と考えていた…映画監督のグ・スーヨンさん腎臓がん手術を振り返る

公開日: 更新日:

グ・スーヨンさん(映画監督/63歳)=腎臓がん

 2年前の年末、朝4時まで新宿で飲んで、酩酊状態でタクシーの後部座席に座っていたら、突然、左側からドンッ! と車が突っ込んできて気を失いました。この事故がきっかけで「腎臓がん」が発覚したのです。

 気づくと首にコルセットをされていて、「絶対に動いちゃダメ」と言われました。でも事故現場を見たいじゃないですか。なんとかして見ようとしたんですけど、また気を失ってしまいました。

 あとから聞くと、タクシーは車に突っ込まれて、3回転ほどスピンして街路樹に突っ込んでいたそうです。後部座席がガラスまみれで、自分は肋骨を3本折り救急搬送されました。肋骨2本までは経験あったんですが、さすがに3本はそれを上回る痛さ。ピーク時には痛みで微動だにできませんでした。

 早朝に救急搬送されて、全身をCTとエックス線で細かく検査されました。ただ、緊急性のあるダメージはなく、朝8時ぐらいに別の病院に運ばれるのを待つことに。待っている間に奥さんへ電話できたものの、次の病院がなかなか決まらず、救急救命室でしばらく放置されました。肋骨の骨折はだいたい安静にして回復を待つしかないですし、ほかに損傷はありません。だんだん家に帰りたくなってきたので医師にそう言うと、「大丈夫そうですし、じゃ帰りますか?」と賛同してくれて、昼には帰宅しました。

 痛みは鎮痛剤で抑えて自宅で安静にしていると、数日後、病院の放射線科の医師から電話がありました。「事故とはまったく関係ありませんが、十二指腸に7ミリの動脈瘤、腎臓に1.5ミリの腫瘍らしきものが確認できたので、病院で検査を受けてください」というのです。

 救急搬送された病院は少し遠かったので、5~6年前に「肺気胸」で入院したことのある近場の病院に紹介状を書いてもらい、そこへ行きました。ところが設備的な問題でできない検査があったため、再び救急病院のお世話になることに……。

 結局、十二指腸の動脈瘤は1センチに満たないので経過観察になり、腎臓の腫瘍は画像診断の段階で「おそらく悪性でしょう」と告げられました。でも、特に何の動揺も感動もありませんでした。「風邪です」と言われた時と同じで、「ああ、がんなんだ」と思っただけです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    無教養キムタクまたも露呈…ラジオで「故・西田敏行さんは虹の橋を渡った」と発言し物議

  2. 2

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  3. 3

    吉川ひなのだけじゃない! カネ、洗脳…芸能界“毒親”伝説

  4. 4

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  5. 5

    竹内結子さん急死 ロケ現場で訃報を聞いたキムタクの慟哭

  1. 6

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 7

    木村拓哉"失言3連発"で「地上波から消滅」危機…スポンサーがヒヤヒヤする危なっかしい言動

  3. 8

    Rソックス3A上沢直之に巨人が食いつく…本人はメジャー挑戦続行を明言せず

  4. 9

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 10

    立花孝志氏『家から出てこいよ』演説にソックリと指摘…大阪市長時代の橋下徹氏「TM演説」の中身と顛末