部下を成長させたければ結果ではなくプロセスを具体的に褒めよ
「最近の若者はダメだ」と嘆く世のビジネスパーソンや教育者の声をよく聞きます。ですが、今に始まった話ではなく、紀元前の書簡にも「最近の若者は……」と書かれていたといった話があります。
いつの時代も上の世代は、若い世代に不満を持つものです。年の離れた人たちがうまく付き合っていくには、お互いが努力し、ギャップを埋めていくしかありません。そこで大事なことが「褒める」です。
人間は褒められることが大好きです。なぜ褒められるのが好きか? それは自分が一番関心を持っているのは、自分自身の評判だからです。人は誰かに認められたい動物で、どんな立場でも年齢でも、自分自身のことや自分が興味関心を持っていることを褒めてもらうとうれしいと感じる生き物なのです。そして、認められたという気持ちが、さらなるやる気やモチベーションへと変化していきます。こうしたロジックをそのまま人間関係でも生かすことが大切です。
例えば、「この資料をコピーしてきて」と頼まれ、コピー資料を渡したとき、「もっと早くやってくれ」と言われるのと、「丁寧で助かるよ」と言ってもらえるのとでは、後者の方が圧倒的にやる気につながります。役に立っている実感を得られると満足する──こうした本能を自己効力感というのですが、褒められることと同様に、役に立っていると感じさせることも重要なのです。