ダニ繁殖シーズン到来…アレルギー持ちや痒くてたまらない人はカーペットと畳に注意
アレルギー疾患の原因となりやすいダニは、温度、湿度が高くなる今の時期が最も繁殖しやすい。ダニ対策で知っておきたいことは? ダニの研究・駆除を長年行う「ペストマネジメントラボ」の高岡正敏さんに聞いた。
◇ ◇ ◇
ダニが繁殖しやすい場所としてまず挙げられるのが、畳やカーペット。高岡さんはこんな調査をしたことがある。
東京都内の築10年のコンクリート造りアパートメント住宅。1階、総面積60平方メートルの住居に家族5人が住んでおり、1人が比較的重度のダニ抗原陽性のアレルギー疾患があった。
「リビング、寝室、台所、子供部屋とすべてにカーペットが敷いてあり、寝室は畳の上にカーペットという状況。6カ月間、毎月所定の場所を一定条件下で同一掃除機で採塵してダニ数を調べました。そして12月に床をフローリングへと張り替え、翌年も同じ条件で、同じ場所のダニ数調査を実施しました。その後、フローリング前後の同一時期のダニ数を比較しました」
すると、8~12月の各月の比較ではいずれもフローリング後で減少。床とは関係ないソファ、ベッドでも減少した。8月と9月の床面に限っては、フローリング前の1平方メートル当たり104.2匹から、同23匹まで激減。重度のアレルギー疾患も症状が改善された。
「床の素材はダニの数に大いに影響を与えます。畳の上にカーペットは、それぞれ単体よりもダニが繁殖しやすい。カーペットを使う場合や畳の床ではダニの餌となるゴミを掃除機で吸い取る。ゴミ量とダニ数は相関するため、ゴミを極力ためない。掃除を徹底し、日光干し、洗濯、クリーニングを行う。ただ、日常習慣的に行う掃除では部屋の隅、押し入れ、家具の裏や下、畳やカーペットの下のダニの除去ができず、ダニの繁殖を招いてしまいます。場合によっては、古い畳やカーペットは取り除く」
寝具も、容易にダニの巣窟となり得る。特に、布団、ベッド、毛布だ。
「布団のダニ数の年間推移を見ると、布団の種類を問わず、ダニ数は夏から秋に増加し、冬に減少する。これが毎年繰り返されています」
ダニによるアレルギー疾患は、生きたダニのみならずダニの死骸やフンも悪化因子になる。ダニが布団の中に侵入すると、ダニ数、死骸やフン量は累積増加していくことになる。
畳やカーペットと同様、古い布団は捨てる。洗えるものは洗い、そうでないものはシーズンの切り替えと共にクリーニングに出す。日常的には日光干しをし、その後掃除機でダニの死骸やフンを吸い取る。押し入れにしまう時は、温度・湿度管理に気をつける。