熱中症は認知機能低下を進める恐れあり…暑すぎるときは手浴・足浴が役立つ
冷たい水分は深部体温が下がりやすい
脱水対策に飲むといいのは、日常的にはまず水。水以外ではカフェインレスのものを選んでください。カフェインは利尿作用があるので、尿が増え、かえって体内の水分不足を招いてしまいます。
散歩したり、庭仕事をしたり、暑い台所で料理をしたりと、汗をかいたときは、電解質を含んだスポーツドリンクをたくさん飲むこと。全てスポーツドリンクでなくてもいいので、水と併用するのもいいでしょう。体内に速やかに吸収できるよう作られた経口補水液を念のため常備しておき、必要に応じて活用するのもいいですね。
わざわざ言うまでもないかもしれませんが、ビールなどアルコールは水分補給とはなりませんので、「カラカラに喉が渇いたときにビール」というのはやめてください。
飲む量ですが、汗をかくようなことをせず屋内で過ごしている場合で、1回につきコップ1杯程度の水分を1日6~8回。感覚としては、「口の中が乾かない」「尿の色が薄い黄色になる」くらいの水の量を。脱水を早くに発見するときのポイント2つの逆になればいいです。
高齢者では心臓や腎臓を悪くされている方もいます。水分の取りすぎは、心臓、腎臓に負担をかけるので、持病がある場合の適切な水分摂取量を担当医に聞いてください。また、膝から下、靴下をはいているあたりにむくみが見られる人も、水分の過剰摂取になっていないかを担当医に確認してください。
最近の研究では、脱水対策として5度から15度ほどの冷たい水分を摂取する方がいいとされているそうです。冷たい水分は深部体温を低下させ、胃にとどまる時間が短いために速やかに吸収されるから。ただ、冷たいものの取りすぎは胃腸に負担をかけます。少しだけ冷たい水分を取り、あとは常温で、といったように工夫を凝らしてください。
脱水対策というより熱中症対策ですが、最後にもうひとつ。暑いときは、手のひらを水につけると深部体温が下がりやすいそうです。手のひらには動脈と静脈を結ぶ血管の部位「動静脈吻合部」があって、暑ければ血管を開き、寒ければ血管を収縮させて深部体温をコントロールしているから。動静脈吻合部は足の裏にもあるとのこと。暑くてたまらないというときは、手浴・足浴も試みてください。