“やせ薬”としても使われる糖尿病治療薬はがん予防にも効果あり

公開日: 更新日:

 大腸がん、多発性骨髄腫、食道がん、子宮内膜がん、あるいは、子宮体がん、腎臓がんも、GLP-1受容体作動薬を利用している患者は発症する可能性が大幅に低くなった。

心臓病認知症のリスクも抑制

 驚きなのが、肥満関連がんだけでなく、心臓発作のリスク軽減、喫煙やアルコール依存症などの中毒行動の抑制、関節リウマチの再発軽減、パーキンソン病アルツハイマー病、変形性関節症、非アルコール性脂肪肝疾患などへの効果もあったことだ。

 GLP-1は、もともと人間の体にあるホルモンで、血糖値を下げる働きがある。GLP-1受容体作動薬は、体の外からGLP-1を補う薬だ。食事をして、消化管のなかに食べ物が入ってくると、小腸からGLP-1が分泌され、血液によって膵臓に運ばれる。膵臓にたどりついたGLP-1が、インスリンの分泌を促すという仕組みである。インスリン療法は、インスリンを体外から補う治療法だが、GLP-1受容体作動薬は、自分の膵臓からインスリンを分泌させる治療法ということだ。

 それにしても「GLP-1受容体作動薬」は、なぜ、これほど多くの効果を発揮するのか。一連の研究報告を「医療ガバナンス学会」で紹介しているボストン在住の内科医・大西睦子氏に聞いた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    演技とイケオジぶりで再ブレーク草彅剛と「10億円マンション売却説」中居正広氏との“絆”

  2. 2

    泉ピン子が終活をやめたワケ「渡る世間は(水原)一平ばかり!」スペシャルインタビュー

  3. 3

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された

  4. 4

    キムタク一家の妹Kōki,は映画主演の裏で…フルート奏者の姉Cocomiの話題作りと現在

  5. 5

    かんぽ生命×第一生命HD 人生設計に大切な保険を扱う大手2社を比較

  1. 6

    米田哲也が万引きで逮捕!殿堂入りレジェンド350勝投手の悲しい近況…《苦しい生活を送っていたのは確か》

  2. 7

    イスラエルにあなたの年金が流れていく…厚労省「ジェノサイド加担投資」引き揚げ“断固拒否”の不可解

  3. 8

    坂本花織の世界選手権66年ぶり4連覇に立ちはだかる…国際スケート連盟の「反トランプ感情」

  4. 9

    カーリング日本女子が到底真似できない中国の「トンデモ強化策」…世界選手権では明暗クッキリ

  5. 10

    公表された重点施策で露呈…JR東海の株価低迷と時代遅れの収益構造