医師が処方する「運動療法処方箋」とはどんなものなのか?
そこで症状が出やすいタイミングを伺うと、「就寝時に右側のお尻を下にした状態で横になったり、寝起きに椅子に座ると右側のお尻が痛くなって、足にしびれが走る」とのこと。触診で右側のお尻を押すと強い痛みを訴えたので、梨状筋症候群の疑いが高いと診断しました。
硬くなった筋肉をほぐすには、股関節回りのストレッチと、運動が欠かせません。しかし、とにかくほぐせばいいとストレッチをやりすぎたり、誤った方法で運動を行うと、かえって症状が悪化する恐れがあります。
そういった方におすすめなのが「運動療法処方箋」の利用です。これは障害や疾病の症状改善を目的として、医師が薬の処方箋と同様に運動の種類や強度、頻度などを示した処方箋です。
厚労省が認定する指定健康増進施設に提示すると、トレーナーがその人の体の状態に合ったトレーニングメニューを作成し、指導を行います。また運動療法にかかった費用は医療費控除の対象になるので、スポーツジムの利用料金が抑えられるのです。
この制度は、整形外科疾患に限らず、糖尿病や高脂血症、高血圧などの生活習慣病のほか、虚血性心疾患、不眠や気分の落ち込みといったメンタルヘルスの不調にも適用されています。
ただ、利用するにあたり、運動療法を週1回以上、かつ8週間以上継続するといった条件が定められています。
病院で運動を勧められたけれど、始め方が分からないのであれば、かかりつけ医に運動療法処方箋について相談してみるといいでしょう。