その不調は更年期障害かもしれません(1)エストロゲンの減少で起こった「指の変形」は元に戻らない

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 とくに注意したいのが「指の変形」だ。エストロゲンの急激な減少は、滑膜の働きを低下させて手指の関節に炎症を招きやすい。その状態で手を酷使し続けると手のこわばりだけでなく、手指の第1関節が変形するヘバーデン結節や、第2関節が湾曲するブシャール結節を引き起こす。いずれも関節の背側にコブができるのが特徴で、一度変形すると治療を行っても元に戻らないというから、早期診断が望まれる。

 ところが実際に更年期障害と診断を受けている女性は40代で3.6%、50代の9.1%にとどまり、不調があるにもかかわらず、受診をためらう人が少なくない。

「患者さんの中には、これらの不調がエストロゲンの減少による症状と結びつかなかったり、ご自身でネットで調べるうちに、更年期だとうすうす気付いても『一時的な疲れだろう』『年のせいだから仕方がない』と、受診を後回しにしている方が多い。中には、更年期障害を認めたくない方も一定数います。やがて心身の不調をコントロールできなくなれば、ご自身だけでなく、人間関係の悪化に発展する恐れもあります」

 先述した通り、更年期の症状は多岐にわたる。

 次回は、思わぬ不調から、更年期障害と診断された女性のケースを紹介する。

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