「マイクロプラスチック」はなぜ心臓病のリスクになるのか
また、一連のマイクロプラスチックの問題は、水道水のPFASなどの有機フッ素化合物や、環境ホルモンと呼ばれる内分泌かく乱化学物質などと同じく、公衆衛生レベルの問題といえます。世界的にマイクロプラスチックがいま以上に大きく問題視され、完全に健康に有害であるという結論が出れば、徐々に対策されていくでしょうが、それにはまだまだ時間がかかります。
ですから、まずはマイクロプラスチックには健康リスクがあると認識して、今後の研究を注視しながら、できる範囲でマイクロプラスチックを減らすように意識することを心掛ければいいのではないでしょうか。
便利で快適な生活を送るためには、同時になんらかの健康リスクも受け入れなければならない……。マイクロプラスチックの問題は、かねてわれわれ現代人が抱える“二律背反”を示唆する問題提起といえるかもしれません。
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