クスリはどうやって効果を発揮するのか? “リレー”をイメージ
これらの陰湿な手段、じつはクスリの効果の発揮の仕方そのものなのです。ゴールテープを遠ざけるのは麻酔の考え方ですし、そっくりさんと入れ替えたりリレーのバトンを奪うというのは血圧のクスリなど非常に多くのものに該当します。
逆に、ゴールテープを切ったときの症状が「望ましいもの」だった場合は、できるだけ早くゴールできるようにしてあげればよいのです。代表的な「望ましいもの」としては、吐き気があるときに消化管の運動を良くしてあげることが挙げられます。たとえば、ゴールテープを近づけたり、ランナーにドーピングしたり、ものすごく性能のいいシューズに履き替えたり、見た目はそっくりだけど足がものすごく速い選手に入れ替えたり……といった感じです。
どちらかというと、クスリの多くはリレーを邪魔するものになります。それだけ、ゴールテープを切ったときの症状の多くが「望ましくないもの」だということです。
クスリを使っている方は、今ご自身の体の中でリレーが行われていて、多くのクスリがそのリレーを邪魔しているということです。イメージしやすくはないですか? そう考えるだけでも、クスリがより身近なものに感じられますよ。 (金曜掲載)