大地震が起きたとき…JRでの「帰宅プラン」は捨てるが吉
M8超を記録した小笠原の地震で、首都の交通網はマヒ。電車は、私鉄も地下鉄もJRも遅れ、東京駅では仮眠用の新幹線が用意された。終電の接続を逃した帰宅難民は駅近くのビジネスホテルやマンガ喫茶に殺到。あれは土曜日だったが、平日の通勤ラッシュ時間だったら、もっと大混乱していたはずだ。
電車に乗っているときに大地震に襲われたら、どうやってパニック現場から逃げ、自宅や会社に戻ればいいか。
災害危機管理アドバイザー・和田隆昌氏が言う。
「3・11のとき、JR東日本はその日のうちの復旧を放棄しましたが、地下鉄や私鉄は復旧しました。特に早かったのが、地下鉄です。先日の小笠原地震のときも同様で、JRは復旧が遅かったが、地下鉄は早期に復旧しています。地震の揺れは、地下の方が弱く、地上の3分の1で済みます。その分、地上より事故や故障のリスクが減り、地下鉄の方が復旧しやすい。つまり、万が一のときはJRに乗車していたとしても、停車した駅から最寄りの地下鉄の駅に移動し、そこから私鉄への接続を考えた方がいい」
国土交通省の報告書によると、3・11の後、午後8時40分に東京メトロ銀座線と都営大江戸線が全線復旧、半蔵門線が一部区間のみ再開した。あのとき、銀座駅で取材していた記者は、「銀座線が動いたのに、なんで丸ノ内線がダメなんだ」「日比谷線も一緒に動かせ」といった怒号をあちこちで聞いたが、銀座線がいち早く再開したのは、偶然ではない。