地区S優勝のカージナルス 好リード冴えるモリーナが牽引
正捕手モリーナ(32=00年ドラフト4位)、今季15勝をマークした右腕のリン(08年同1位)、守護神ローゼンサル(09年同21位)ら主力の多くは、カージナルスのマイナー組織で育ってきた選手だ。スポーツライターの友成那智氏がこう説明する。
「育成システムの充実、ラルーサ前監督が駆使した緻密な野球を踏襲していることに加えて、カージナルスは正捕手モリーナの存在が大きい。毎年のように若手やルーキー投手が結果を残せるのは好リードに加え、メジャー昇格後もモリーナが徹底的に若手を教育しているからです。カージナルスでは毎日試合前、モリーナが中心となり、30分にもわたって入念なバッテリーミーティングが行われている。失投を極力減らすため、『モリーナ教室』で配球などを叩き込んでいる成果ですよ」
今季1点差試合は33勝23敗。接戦で大きく勝ち越したのも、モリーナによるところが大きい。
「強力なリリーフ陣はもちろん、強肩(盗塁阻止率5割2分3厘)も接戦に強い理由のひとつでしょう。僅差で迎えた最終回に走者が出ても、相手チームはモリーナの肩を警戒して盗塁など仕掛けられない。カージナルスの安定した戦いぶりは、2人目の監督であるモリーナ抜きに語れません」(友成氏)
モリーナの今季年俸は16億5000万円。ナ・リーグの捕手ではナンバーワンの高給取りにふさわしい働きでチームを支えている。