球団初のCS4安打 巨人・阿部は“コツコツ打法”が生きる道
4番が突然安打を量産し始めた。
14日、セ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージが神宮で開幕。巨人が坂本の2ランなどでヤクルトに逆転勝ちし、アドバンテージを含めて1勝1敗のタイとしたが、やたらと目立っていたのが、阿部慎之助(36)である。右へ左へ4安打。原監督は「振れている? 本当にねえ」と笑顔。つい4日前にクビをひねっていたのがウソのようだ。
阪神とのCSファーストステージ初戦で5タコに終わると、「あとは3番(坂本)、4番(阿部)」と指揮官にチクリとやられた。すると第2戦は2安打。第3戦は右手一本で貴重な適時打を放った。阿部は「昔、大道さん(現ソフトバンク打撃コーチ)に『バット短く、息長く』という名言をいただいた」と冗談めかしていたが、実は2戦目以降、打撃スタイルを変えた。以降のCSでの7安打全てが単打なのだ。
「他球団の投手は阿部の一発におびえている。でも本人の感覚は違うみたい。今季は打率.242で15本塁打。巨人では長野に並ぶトップタイとはいえ、本塁打王のヤクルト山田は38本。狭い東京ドームが本拠地なのに、日本人に20本以上の差をつけられ、15本という本数に年齢を感じている。だったら安打を量産しようと割り切らせてくれたのが原監督の“嫌み”だった。現在はグリップエンドが少し太めで短く握りやすい中距離タイプを使用。かつては細めで遠心力が利く長距離タイプを愛用していたから、劇的な変化です」(チーム関係者)