他球団選手の自主トレに「真剣勝負できるのか」と疑問符
人気野球漫画「グラゼニ」の原作者である漫画家の森高夕次氏は、「選手同士の馴れ合いとルール変更が重なり、さらに野球の面白味が欠ける気がします」と、こう語る。
「70年代の巨人では、柴田勲が年上の土井正三を呼び捨てにしていたという。高卒の柴田は大卒の土井よりも先にプロ入りしていて、プロのキャリアが長いほうが偉いという風潮が垣間見え、真剣味というかプロの厳しさが感じられます。しかし、プロ野球界でフロントでも現場でも大卒というブランドが重宝されるようになってから様子が変わり始めたように思う。大学での先輩、後輩という関係性がプロ野球界を侵食し、プロの年数よりも『学年』が優位になり、セカンドキャリアを含めた将来のことを考えれば、練習前に挨拶をしたり、グラウンド外での人間関係にまで気を使わなければいけなくなります。ルール変更についても、今の時代はムチャなことをしたらすぐさまネットで叩かれる。なるべくお行儀よくしましょう、という社会的なコンプライアンスの問題も影響しているのかもしれません」
そして森高氏は、「真剣勝負といえば、90年代に野村ヤクルトと長嶋巨人がライバルとして戦ったということが最後かもしれません。当時は内角攻めで死球が多く、乱闘に発展することもあった。今は破天荒で個性的な選手もほとんどいなくなっていると感じる」とも言う。
プロ野球をこれ以上つまらなくしないためにも、まずは、他球団の選手との自主トレを一切禁止にすることだ。