強風も難敵 全英OPのタフなリンクス攻略は“転がし”が鉄則
名物ホールは全英オープン史上最短の8番パー3(123ヤード)だ。ポットバンカーとブッシュに囲まれたグリーンは縦長で小さいことから、「郵便切手」と呼ばれている。風が穏やかならウエッジで狙えるが、ひとたび強風が吹けば大西洋に向かって打っていくため、強烈なアゲンスト風になることがあり、プロも番手選びに頭を酷使することになる。
「前回覇者のハミルトンは、長いパー4でもロングアイアンでティーショットを打ち、フェアウエーキープを優先して勝ちました。グリーンは手前から攻め、グリーン回りではユーティリティーを使ってランニングアプローチをするなど、転がしに徹底した。ユーティリティーもショートアイアンも、パッティングのように打って転がして寄せていた。まさにリンクスの戦い方でした」(前出の吉川氏)
一日に四季があるといわれるぐらい、気象コンディションが目まぐるしく変化するのがスコットランドのリンクスだ。狙う、止めるといったショットの技術だけでなく、強靱な精神力や、強烈な雨風にめげない体力も要求される。プロにとって過酷な4日間が始まる。