野球やサッカーと歴然の差 箱根駅伝ランナーの稼ぎと現実
箱根のスターだった青学大の“山の神”こと神野大地(24)やその後輩の一色恭志(23)に、低迷するマラソンでの成長を期待する声は多いが、伸び悩んでいる。12、14年の優勝に貢献した東洋大OBの設楽悠太(26)も、ハーフ(マラソン)では日本記録を更新(1時間0分17秒)したものの、高速コースのベルリンマラソンでも2時間9分を切れなかった。
「フルマラソンで日本記録(男子は2時間6分16秒)を更新すれば、日本実業団陸上競技連合から1億円の報奨金が出る。それも海外でプロ契約している大迫傑(26)に持っていかれるでしょう」(前出の関係者)
ある実業団のOBも渋い顔でこう言う。
「日本のトラックや長距離選手は国際大会では歯が立たない。指導者は駅伝の成績さえよければクビにならないので、マラソンでアフリカ勢に勝てる選手を育てる気などない。陸上は金が全てではない。でも、『つらい練習をして安い給料ではバカバカしいから』と、箱根駅伝を最後に競技を終える者も少なくない。実業団に進んでも駅伝の注目度はガクッと下がり、やる気を失う選手もザラです。先月、生命保険会社とスポンサー契約を結んだ大迫にしても、契約は2020年末まで。東京五輪で結果が出なければ“商品価値”はガタ落ちです。結局、箱根のスターが一番輝けるのは箱根だけなんです」
箱根駅伝で高笑いはテレビ局と実力大学だけか……。